ファンになっていただくために学ぶべきこと

みなさんこんにちは。福岡県まで緊急事態宣言がでて緊張感が高まります。僕の周囲でも「これからどうしたらいいのか」という声がつきません。誰しも口にはだせなくても不安ってありますよね。弁護士業界も同じようなものです。僕は、「淡々とやるしかない」と割り切っています。最悪なのは不安になって身動きとれなくなること。「できることを粛々とやっていく」って危機的な状態では大事な気がします。という文脈のなかで僕の事務所の運営について書いてみます。みなさんにメッセージ書きつつ自分の方針を整理することが目的なんですけどね。お付き合いください。

ご存じの方も多いでしょうが、弁護士業界ってすごく競争が激化しています。弁護士数は、2000年に約1万7000人でしたが2017年の時点で約3万9000人と倍増ですからね。この傾向は地方都市である山口県でも同じようなものです。「弁護士が増えたからといって訴訟件数が激増したか」といえばそういうものでもありません。そもそも訴訟激増の社会ってあまりいいものではないです。というわけで弁護士としてもいやが上にも競争が激化してしまうわけです。

「こんな愚痴をメルマガで書くなよ」と言われそうですがしがない事務所の経営者としてはいろいろ経営の心配ってあるわけです。「今年は事件くるのだろうか」「顧客増えるかな」「規模は大きくするべきかな」「都会の事務所はいいな」とか。ぼやきの島田です。ただ悩んでも仕方ないのも事実です。そこでなにをするかです。僕は、先行き不明の状況下で「周囲がこうだから自分も同じく」と漫然と周囲にあわせるのはむしろ競争原理に身を投じることになる危険な選択と考えています。そこであえて「自分の価値観」に基づいた個性的な経営を目指しています。「勝者はいつも少数派」とある方に教わってから、あえて少数派に身を投じて独自路線を歩むのって好きなんです。勝者にはいまだなれていませんが。

コロナによって、もはや経済成長だけを求めた社会は難しいと考えるようになりました。事務所にしても売上や規模ばかりを求めるのも何か違うのではないかと。少なくとも現状で規模をひたすら拡大するとサービスレベルの劣化を導きかねません。僕は、やはり事務所を支援してくださるファンの方を大事にしたいわけです。こうやってメルマガ読んでくださる方も紛れもないファンの方々です。そういうわけで僕の経営方針は、「ファンのみなさんを大事にする」ということに設定しています。規模よりも「ひとりひとり」を大事にする経営を目指していくことにしました。このメルマガもそんな感じで綴っていく予定です。

「法律事務所のファン」というのも違和感があるでしょう。そもそも法律事務所に相談していることすら隠したいものです。でもそういうのが嫌なんですよね。法律事務所もクリニックと同じで社会的なインフラであるべきです。「島田のところで話をしたらなんだか気が晴れた」とでも言ってもらえるようになればベストです。「とりあえず話を聞いてみよう」と思っていただけるのが僕の考えるべき身近な司法の姿です。それは商業的にとらえれば非効率的な方法でしょう。でもスタッフには日頃から伝えているのですが人間同士のつながりの豊かさというのは非効率性ではなく「遊び」や「てまひま」から生まれてくるものです。僕は、規模よりもそういった人のぬくもりを大事にする事務所をファンの皆さんとなんとか作りあげていきたいのです。

これからどうすればファンの方々に出会えるかはよくわかりません。いろいろやってみてみるしかないのでしょう。でも唯一心がけているのは、あくまで事務所の価値観に共感してくださる方を見つけるということです。相手に合わせて事務所の価値観を変えるようなことはしたくはありません。そもそも僕のクライアントもそんなことは望まれていないはずです。僕がある日をもって八方美人になったらおそらく誰しもこわがります。僕は、自分が不器用な存在だとわかっています。太鼓持ちのひとつでもできればもう少し事務所も立派になっていたかもしれませんが、自分には到底な無理なことだと誰よりも理解しています。不器用な者には不器用な者なりの生き方というものがあるはずですし、それを大事にしたいものです。みんなが器用になる必要もない。僕は、価値観を変えずとも共感してくださるファンの方を大事にすれば自ずと経営も安定するものと確信しています。

世の中にはパレートの法則というものがあります。ざっくりいうとコアになる2割が全体の8割をうみだすというものです。例えば顧客の2割（ファン）が売上の8割を占めるというものです。これは僕の経験からしても「たしかに」と感じるところがあります。それほどファンというのは経営において重要なわけです。パレートの法則については、こちらの本に詳しいです。

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みなさんもこういったファンを意識した経営を考えてみると面白いかもしれません。ただ「ファンを意識した経営」といってもなかなか抽象的でどうしたらいいのかよくわからないのが正直なところです。僕も「顧客を絞っていいサービスを提供したい」とずっとイメージしていたのですが方針が見いだせずに足踏みしていたわけです。そのときにこちらの本に出会って「おー、そういうことか」と感じました。

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ファンをベースにした経営の在り方を体系化した一冊です。つまるところファンってBtoBでもBtoCでも存在するわけです。しかも業種も問わないものです。ですから人を大事にした経営を目指す方には参考になるはずです。この本を基礎に実例を紹介した本も最近出版されて話題になっています。

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最初に読むならこちらの方がイメージを作りやすいかもしれません。普段目にしている企業がこういう努力をしているのかとよくわかるでしょう。お勧めです。

僕は、この事務所をファンの方とともに育てていければといつも考えています。そしていつか「なにか楽しそう」と感じていただけるような場所になればと願っています。そのためにはみなさんの力が必要です。不器用で失敗も多いけれどもこれからも力を貸してください。新しい場所をともにつくっていきましょう。