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後継者・幹部育成

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「なぜか自社には元気がない」と経営者がなやんだときにまずやるべきこと

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2020.10.20

「島田さん、どうしたら社内の雰囲気が明るくなるのだろう」という相談が寄せられることが少なくない。もはや法律論ではないがなんらかの答えを提示してこそ「社長をサポートする」と自負する者の役割だろう。学術的なことはわからないもののあまたの労働事件を担当してきたものとしてリアルな見解をお伝えしよう。リアルなものほど読むのが辛くなるものだが自社を変えたいという方は読んでいただきたい。

職場はガラス。ちょっとしたことでひびが入る

それなりの社員数がいても元気な会社はある。逆に数名しかいなくても誰も話すらしないという会社もある。職場環境と人数というのはあまり関係ない。たまに「人数が多いと社員の性格の問題も希薄化される」という意見を耳にすることがある。たしかに異動で他の地域に変わるなどであれば職場の雰囲気がかわることがあるかもしれない。だが一般的な中小企業では、そういった配慮はなかなかできない。ひとつの事務所といくつかの工場というのが限界。どこに異動しても物理的に「会って」しまうと人間同士の軋轢はずっと続いてしまう。

つくづく職場というのはガラスのうえにあるものだと感じる。固めるのは難しいのに割れるときは一瞬だ。たったひとりの問題社員の態度でみんなが腫れ物を避けるようになってしまい話しにくい雰囲気になる。いちど「黙っておこう」という雰囲気が広がると事後的に修正するのが相当難しい。日本人の美徳して耐えると言うことがある。でも何事も限界があるだろう。結果として理由も曖昧なまま辞表をだしていく。経営者に失望しての対応だろう。

ダメダメな経営者に限って職場の問題をあえて見なかったことにしてしまう。「社員同士のことだからうまくやってくれ」という姿勢の人もいる。うまくやれたら誰も苦労はない。できないからしんどいということがわかっていない。

根本原因は社員と経営者のトラブル

社員同士のトラブルのように見えても問題の本質は経営者自身にあることが少なくない。簡単に表現すれば経営者に対する不満が他の社員に対しても向けられるというものだ。

トラブルの原因はいろいろあるものの経営者と社員の考える忍耐力の範囲の相違が原因の場合が多い。仕事には楽しいこともあるがつらいこともある。ときには不条理な言い分にもこらえなければならないときもでてくる。もちろん経営者としては社員のメンタルヘルスを考慮して過度な負担にならないように配慮するべきだが完璧に負担がないという状況は現実的ではない。経営者としては、売上を確保するために「これくらいは耐えてくれるだろう」と値踏みする。これに対して社員は、「なぜここまで耐えないといけないのか」という気持ちになる。社員のこういった忍耐力あるいは受容力といったものがずいぶん小さくなってきたという声は少なくない。経営者からだけではなく社員からも耳にする。

社員の不満や負担は、まずは経営者が自ら聞かなければならない。改善できない部分もあるだろうが「聞く姿勢」といったものは不可欠と考える。結局のところ「この人は話を聞いてくれる」という安心感こそ必要だ。話を聞いたうえで実現できるかどうかは資源の問題もありわからない。社員としても「検討してくれたうえでの判断であれば」としぶしぶながらも自分を納得してくれる。問題は忙しい経営者はこういった話を聞くという時間を確保していないことだ。SNSでのやりとりはあまり意味ない。むしろ感情的になり不満をかきたてることになる。大事なことほど面と向かって話すことが大事だ。

壊れ始めたらあえて違うキャラの人を

職場の雰囲気がどんよりしているときに即効性を求めてもうまくいかない。人間の感情はそれほどシンプルなものではない。「また社長が適当なことをはじめた」という意見がひろがるばかりだ。もちろん改革するのは必要だが即効性を求めすぎて「うまくいかない」と落ち込むことが不毛だ。うまくいくことの方が少ないと最初から覚悟を決めておいた方がいい。

ひとつの方法としては、あえてまったく空気読めないキャラの人を投入することがある。荒療治ではあるがそれなりの結果をだしてきた。空気読めないというのは語弊があるかもしれないがとりあえず強烈に前向きな人。こういう人がひとりいると本当に心強い。人は、能力が高い人に魅力を感じるとはかぎらない。むしろ能力だけ高い人は冷たい印象を与えることがある。人は、むしろ失敗あっても明るく振る舞ってくれる人に好意を寄せやすい。「助けてあげよう」という気持ちになるのだろう。ある友人のこと。彼は、ものすごく能力が高い。高いのにある職場で「これできないので教えてください」と周囲の古参社員に質問するようにしていた。質問することで胸襟を開いてもらっていたわけだ。それで一気に職場の雰囲気が変わった。こういった人によって職場の雰囲気が変わるのは店舗経営など典型的。店長が変わるだけでがらりと変わる。

でもそんな亜刈る人はいないということもあるだろう。そういうときには話をじっと聞いてくれる人を上司にしてみるのもひとつだ。個人的には女性が上司になるとむしろ職場の雰囲気が変わっていい意味で緊張感が広がる。「聞く」というのは結構な技術と精神力を要する。経営者にはなかなかできないことだ。ついしゃべりすぎるから。「聞いてくれる」という安心感はなにものに代えがたい。そういう社員がいたら大切に育てるべきだ。

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