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後継者・幹部育成

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まずは現金。現金さえ確保できればなんとかなる

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2020.03.11

もうタイトルがブログの内容です。あとは蛇足です。コロナウィルスショックは、いったいいつまで続くかわかりません。株価もえらいことになっております。暗中模索のなかでも歩まないといけないのが我々経営者でござんす。こういう危機状態で一番大事なのは現金だ。夢も希望のないかもしれないが間違いない。愛も希望も現金を要しないとどうしようもないわけです。先行き見えないからこそ自社の現金は確実に確保しないといけない。

とりあえずは3か月後までの資金繰りを泣きながらでも描こう

黒字倒産という言葉があります。決算上は問題ないのに倒産してしまうことです。数字では利益がでているのに現金が底をつきて倒産してしまうというわけです。キャッシュフローのコントロールができなくて倒産してしまうわけです。今回のショックでもなにより怖いのは物流が止まったことで自社のキャシュフローも乱れてしまうことです。

とくに危険なのは支払手形をだしているところです。銀行への返済ができないというのであれば個別交渉するなどなにか手があります。とくにこういった状況であれば銀行もいきなり無下にもできないでしょう。ですが支払手形には、そういった情はない。落とせなかったら不渡り処分です。1回でも不渡りだしてしまったらもうどうしようもないです。弁護士といえども無力です。支払手形をだしている企業はまずもって本当に支払えるのか冷静に見直してください。

すべての企業にいいます。とりあえずこれから3カ月の資金繰り表をまず作ってみてください。「資金繰りが足りない」とかどうか抽象的に不安になっても誰も助けてくれません。「本当に足りないのか」「いつごろいくらくらい足りないのか」をまずもって自覚しないとなにもはじまりません。中小企業は、どうしてもぎりぎりの資金で事業を展開しています。ちょっとでもキャッシュフローが崩れるとバタバタなります。早めの資金繰り表がなによりだいじです。融資を受けるにしても資金繰り表で当面の事業を整理したうえです。こういった資金繰り表は必ず経営者自身が作成してください。自分で鉛筆なめながら作成するから身に沁みてわかります。経理や税理士の人に丸投げして作成しても自分として理解できません。理解できないと「なんで現金がないんだ」ということになります。はためいわくです。

資金繰りを改善する方法はいろいろあります。詳細については、税理士の方など専門家の意見を聞いてみましょう。中小企業でできることはざっくりいえばこんな感じです。

①金融機関から借り入れをする
②不要な資産を処分して現金にする
③支払期限を延長する
④入金を早くしてもらう
⑤助成金・補助金を活用する

とかく経営者は借りることばかり先行しがちです。違う。まずは自社単独できることからはじめないと。一番単純なのは②不要な資産の処分です。危機的なときこそじっくりB/Sをみて不要な物がないか検討してください。不要な物が売れれば現金になります。あるいは不要な物を処分して損金処理できれば節税になります。いずれもキャッシュフローが改善します。

僕自身は、企業再生をする場合に資産をできるだけ小さくするようにしています。資産をあえて小さくして効率性を高めていく手法を基本にしています。企業はただ大きければいいというものではないです。大きさよりも強さなんです。

信用保証協会のセーフティーネット保証を活用するべし

では「お金を借りる」ということについてもう少し確認しておきましょう。今回のコロナウィルスショックで政府から信用保証協会のセーフティーネット保証を発動されたという報道を耳にした人も多いでしょう。「そうか」とうなづく人もいるでしょう。ですが少なくない人にとって「なんだそれは」という感じではないでしょうか。金融の世界って聞きなれない言葉が多いですよね。

どうでもいいことなんですが弁護士になりたてのころ「信用保証協協会」とか「プロパー融資」とかいわれてもまったくチンプンカンプンでした。さすがにクライアントの前では「そうですね」と満面の笑顔でごまかしていましたが実際には相談直後にあわててネットで検索して「なるほど」と学んだものです。当時からお世話になっているみなさんごめんなさい。懺悔です。当時学んだ一番大事なことは「わからないことでももがけばなんとかなる」ということです。大事なことだからもう一度言います、懺悔です。

あたりまえのことですが信用保証協会とは、会社が金融機関から借り入れるするときに保証してくれるわけです。保証があるから金融機関としても貸しやすい。今回のセーフティーネット保証とは、経営の安定に支障が生じている中小企業に一般保証とは別に保証枠を確保するというものです。つまり保証する範囲を広げて融資を受けやすくしてあげるというものです。これは利用できるなら利用したほうがいいです。

今回のコロナウィルスについては4号及び5号という言葉があります。同じセーフティーネットなんですが内容が違います。4号は、「地域」に注目したもので一般枠とは別枠で借入債務の100%を保証するものです。5号は、特に重大な影響がでている「業種」について一般枠とは別枠で借入債務の80%を保証するものです。5号の対象となる業種は経産省のHPなどで確認できます。

信用保証協会の保証範囲を拡大して融資の実行をしやすくしているわけです。

有利な融資の制度も用意されている。これは使わないと

何度も言いますが経営に必要なのはカネです。言い方汚いかもしれないですがカネです。カネがなければ社員の雇用を維持することもできません。カネ周りに不安があれば借りるのもひとつです。コロナウィルスを受けて企業にとって有利な融資がバシバシ登場しています。とくに国民政策金融公庫を通じての融資など用意されています。こういうのは自分で調べて相談しないとわからない。誰も助けてくれない。ちょっと今時点でわかるもののうち代表的なものを整理しておきましょう。

【セーフティネット貸付の要件緩和】
セーフティネット貸付は、日本政策金融公庫が取り扱う個人企業や中小企業のための融資制度のひとつです。正式には、経営環境変化対応資金といいます。言葉の通り経営環境が変化してまずいときに「がんばれ」ということで貸してくれます。これは従前からある制度なんですけどコロナウィルスを受けて要件が緩和されました。

【新型コロナウィルス感染症特別貸付】
新型コロナウィルス感染症特別貸付は、国民政策金融公庫が新型コロナウィルス感染症で影響を受け業績が悪化した事業者(フリーランス含む)に低金利で融資をするものです。すごい制度です。中有小企業の利子は、3年間は0.21%です。

【特別利子補給制度】
日本政策金融庫が新型コロナウィルス感染症特別貸付により貸付を実施した業者のうちでとくに影響の大きいフリーランスや事業者に利子補給を行います。利子補給って聞き慣れない言葉です。簡単にいえば行政が融資を行った金融期間に利子の一部または全部を給付するわけです。これによって借主としては利子の負担を軽減できることになります。

【新型コロナウィルス対策マル経】
マル経融資とは、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で貸し付ける制度です。創業時に利用している人も多いでしょう。新型コロナウィルスで影響を受けた場合には、金利が減免されます。

【衛生環境激変対策特別貸付】
遠征環境激変対策特別貸付は、感染症または食中毒の発生による衛生環境の著しい変化により一時的な業況悪化から衛生水準の維持向上に著しい支障を来している生活衛生関係営業者の経営の安定を図るための特別貸付制度です。業種が旅館業、飲食営業及び喫茶店営業などに限られています。

ポイントはひとつだ。悩む前にすぐに専門家に相談するべし

ここまで貸付などの融資の説明をしてきました。これを読んで「そうか。よくかわった」と納得できた人がいたら相当財務に詳しいです。たいはんの人にとっては、「あるのはわかるけど実際どうやったら使える」というのが現実的な意見ではないでしょうか。少なくとも僕なら「よくわからない。何が使えるのかもわからん。でもカネがない。どうしよう」と途方に暮れるかもしれない。

こういう危機の状況では、自分でじっくり考えるだけの時間的余地はないです。考えている間に資金ショートという結末にもなるかもしれません。だからこそ不安を覚えるならすぐに専門家に相談するべきです。銀行の人、税理士の方あるいは中小企業診断士の方など融資の相談に乗ってくれる人はたくさんいます。なぜ相談しないのでしょう。「相談先がない」というのは理由になっていません。今の時代であれば誰でもすぐに相談先なんて見つけることができます。僕の事務所でも相談してもらえれば専門家を紹介することだってできます。専門家に相談することの最大のメリットは、自社の状況を冷静にとらえることができることです。渦中の人は周囲の状況を冷静に見ることができません。むしろ現実よりも楽観的に見ていることの方が多い印象です。第三者であるがゆえに中立的に事実を捉えることができます。その内容は耳にいたいものかもしれない。でも耳にいたいというのは往々にして真実です。

つまるところ相談できない人って「誰かがなんとかしてくれるはず」という甘えがどこかにあるのです。こういった甘えこそ最大のリスクです。僕は、なんでもかんでもバッサリ言い放つ性格ですから周囲から反発を受けることも多々あります。僕の発言で「イラッ」とするのであれば、それは本質を突かれたからです。そんな僕が言いますが助けてくれというのは決して恥ずかしいことではないです。そんなものひとりできることには限界がありますから助けを求めるのは当然のことです。助けてくれと言うからこそ周囲の人も「なんとかしないといけない』と意識できます。経営にしても同じ。わからないことを恥じることなく自分で周囲に相談することこそ社員の生活を背負う経営者の強さでしょう。

話を戻しましょう。資金繰りに悩んだらなによりスピードです。のんびり構えていたら大抵失敗します。さきに紹介した融資にしても「こんにちは」と訪問してすぐに貸してもらえるものではありません。あたりまえです。資料を用意して、提出して、審査されます。今日の明日ということにはなりません。あたりまえのことだと思われますがあたりまえになっていない人が多すぎです。「1週間後の支払ができません」と相談に来られてもできることなど限界があります。口を酸っぱくしていいますがスピードです。

しんどいことなんて積み重なるのが人生。どんといってみよう。

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